蛇にピアス
世界の蜷川の映画
演出作品は、清水邦夫、唐十郎、井上ひさし、野田秀樹、岩松了などの現代劇から、ギリシャ悲劇やシェイクスピア、チェーホフなど海外の古典・近代劇に至るまで、多岐にわたる。鮮烈なヴィジュアルイメージで観客を劇世界に惹き込むことを得意とする、現代日本を代表する演出家のひとり。海外でも評価が高く、「世界のニナガワ」とも呼ばれる。
起用する出演者はトップスターや実力派俳優から人気アイドルまでと幅広く、意表をついたキャスティングで話題を呼ぶ。
短気な気質で芸に対してはかなり厳しく、演技指導の厳しさでも知られ、世間一般的にはスパルタ演出家のイメージが強い。しかしその厳しさの一方で人情的で心優しく、「周りにだけでなく、同様に自分に対しても厳しい」姿勢で仕事をするため、数多くの俳優やスタッフから慕われている。また、この指導を受けた事で役者としての実力をつけた俳優やタレントは数多い。
現代演劇のフィールド外でも、小澤征爾の指揮による歌劇『さまよえるオランダ人』、宇崎竜童作曲によるミュージカル『魔女の宅急便』を演出している。尾上菊之助の依頼を受け菊五郎劇団と組んだ歌舞伎『NINAGAWA十二夜』では、「歌舞伎国へ留学する」(本人談)と明言し、照明家と作曲家を除いては常連スタッフを起用せず、ほぼ単身で作品創りに臨んだ。
演劇作品以外にも、映画、テレビドラマ、コンサート、ファッションショーなど、様々な媒体や舞台での演出を手掛けている。エッセイ集も出しているが、自身は、文章を書くことは楽しくはないが断れずにやっている、という。